予定よりも早くなったけれど

千景の存在を知った今、彼女の動きに気を付けなければいけない。

そして何より、彼女の企みを未然に防ぐために

先手を打つ必要がある。



学園に帰る途中、冬夜は皆に

ヴァンパイア界へ私と一緒に行くことを告げた。



けれど、皆は分かっていたみたいに

さほど驚きもせず、聞いていた。



紅寧さんは、冬夜に聞こえないように

冬夜に襲われないように気を付けて、なんて

そっと耳打ちしてきたけれど。



襲うって・・・

そんなに血が欲しければ、言ってくれればいつでもあげるし

私なんかを襲う必要があるだろうか。



と首を傾げたり。

そんな私を見て、冬夜はクスリと笑う。




「ん?」

「いや、別に。」