身体を起こしたことによって、寝心地が悪くなったのか
瑞姫が起きて、大声で泣き始めた。
俺は、背中をポンポンと優しく叩いて瑞姫を宥める。
暫くすると、落ち着いたのかまたスヤスヤと寝息を立て始めた。
「ふっはっはっは。こりゃいい、伊蕗。冬夜の嫁に、この子を貰えないか?」
「は?何言ってるんだよっ。」
「ん~、そうだね・・・彩姫はどう思う?」
「いいんじゃない。冬夜君も、瑞姫の事気に入ったみたいだし。ねっ。」
と、俺にウィンクする彩姫さん。
その意味深な行動に、瑞姫の額にキスをしたことを思い出し
誤魔化す様に、瑞姫に目線を落とし背中を擦った。
「決まりだな。」
「仕方ない。婿殿、瑞姫をよろしくな。」
スヤスヤと眠いっている瑞姫を見ながら
どんどん話は進んで、最終的には伊蕗さんのその言葉で決まってしまった。
幼いコイツの意見の聞かずに、良いんだろうか。
そう思う反面、嬉しいと思う自分が居ることに正直驚いていた。

