左手で口を覆い、顔を真っ赤にして戸惑う俺に

優しく微笑む彩姫さん。


上の中にいる瑞姫はというと

何が起きたのか分からず、キャッキャ喜んでたり。



本当に、俺なんで・・・

自分が良くわからない。




「この子には、特殊な力があるの。私たちの力より、ずっと強力で禍々しい力。」

「禍々しい力?」

「そう。私達より、ずっと強力で・・・それはきっと大きくなるにつれて強くなっていくわ。そうした時・・・この子の傍に居てくれる?」




さっきまで笑顔が浮かんでいた彩姫さんの瞳は

少し哀しそうに、揺らめいていた。




「俺は・・・俺には、こうして自ら近づいてくる奴なんていなかったんです。動物すら、俺を怖がって。だけど瑞姫は俺を怖がりもせず、こうして笑っていてくれる。瑞姫が俺を怖がらない限り、傍に居たいです。」

「・・・ありがとう。きっと、この子はその力の所為で悩むときもあると思うの。その時は、冬夜君。瑞姫の力になってあげてね。」