「大丈夫よ、怖がらないで。こうして、優しく背中を支えて・・・そう、上手よ。」
彩姫さんは、俺の膝に瑞姫を乗せて
頭と背中を支えるようにと、俺の手を動かし抱かせた。
人より体温の低い俺にとって
熱いくらい身体の温かな、小さな存在。
ちょっと力を入れてしまえば、本当に壊れてしまいそうだ。
そんな風に怖々抱いていると、不意に瑞姫が俺の胸に
頭を摺り寄せて、ぐりぐりと頭を動かし始めた。
「うわっ、やめろって・・・くすぐったい。わっ・・・彩姫さんっ」
「ふふっ。ホント、珍しいわ。瑞姫って、人見知りなのよ。だから普段初対面の人に自分から近づいたり、グリグリしたりしないのよ。」
へぇ~そうなんだ。
って感心してる場合じゃなくって、出来れば助けて欲しい。
本当に、無理っ。このままじゃ、落としそうだ。

