腕の中にある温かな、瑞姫の体温を感じながら

俺は、夜空を綺麗に彩る花火の上

薄く輝く星空を見上げた。



瑞姫に聞かれ無ければ

きっと、この先も思い出さなかったであろう

あの闇の世界での暮らし。



毎日が、闇に包まれ

太陽と言う光は無く、空に輝くのは淡い光を放つ月だけ。



だけどその明かりだけでも

俺達ヴァンパイアには明るいくらいだった。



そして、俺が住んでいたのは

あの世界の中心にあり、王が住まう場所。

通称、ヴァンパイア城。



正しくは、白亜城って言うんだけど。

ま、どっちでもいいか。