すると、戸惑いがちに背中に回される

少し冷たい彼の腕。

そして、ふーっと吐き出される息が耳に掛かり

同時に大きな手が私の頭を撫でた。




「ったく。いつも、こうならいいのにな。」

「・・・とう、や?」

「分かったよ・・・瑞姫って、頑固だよな。」

「今頃、気付いたの?」

「クスッ・・・彩姫さんに、よく似てる。」

「本当?!」

「あぁ。」




嬉しくなって、思わず彼の体に腕を回し抱きついた。

冬夜は、そんな私をギュッと右手で抱きしめ

幼い子をあやす様に左手で頭をポンポンと軽く叩いた。




「ねぇ、冬夜のお父さんは・・・どんな人なの?」

「アイツの話は、したくない。」

「・・・どうしても、ダメ?」

「・・・・・・分かったよ。少しだけな。」




そう言って、少しずつ話してくれた。

顔を見られたくないのか、私の顔を自分の胸に押し付けるように

抱きしめたまま。