彼のアメジストの瞳が私を捉え映し出す。
真っ直ぐに、強いなまざしで。
私は負けじと、彼を見つめ返す。
強い意志と想いを込めて。
「本気、なのか?」
「えぇ。私は、あなたの婚約者よ?お父様にもお会いしたいもの。」
強気にフッと微笑んでみせるが、彼は表情を崩さず
私を見つめている。
彼の言いたいことは、痛いほど分かる。
私を危険にさらしたくないのも。
だけど、だけど、私は――――――――――
「・・・二度と、帰って来れなくても?」
「私の居場所は・・・ココしかないの。」
いつもなら、絶対に出来ない。
だけど、あなたを失うくらいなら・・・
思い切って、冬夜の胸に自分から寄りかかった。

