学園でもモテモテの彼らは、見知らぬ土地でもモテモテのようで。

そうなると気になるのは、私の隣に立つ彼。



彼もまた、そのひとり。

歩けば誰もが振り返り、女性の心を捉え離さない。

まぁ、本人は鬱陶しいだけで気にも留めないらしいけど。




「瑞姫、行くぞ」

「え、どこへ?・・・みんなは、どうするの?」




手を取られて、歩き出したのは

彼らとは反対方向。




「折角、囮になってくれたんだ。ありがたく、2人の時間を楽しもうぜ。それに、ここもそろそろヤバい。」




そう言って、歩く速さを早める冬夜。

ふと振り返ると、さっきまでいた場所に

キョロキョロ何かを探すように首を振る女の子の姿が数人見えた。



もしかしたら、冬夜を探しているのかもしれない。



なんだかとても嬉しい気持ちになった。

みんなには申し訳ないけど、もう少しだけ囮になって貰おう。