颯斗さんの質問に、考えこむ慶仁さん。

そんな慶仁さんに更に言葉を付け加えるように話し始めた。




「その村には、彩姫さんや伊蕗さん。そして瑞姫ちゃんと同じ力を持った人たちが住んでいたんです。」

「ん~知らないなぁ。」




そう首を傾げながら、顎に右手を当てながら目を閉じる。

そして、次の瞬間何かを思い出したかのように

ポンッと手を叩き、颯斗さんを見た。




「もしかしたら・・・一度だけ伊蕗から聞いたことがあるんだ。伊蕗たちの住む村は真神村(まがみむら)と言ってね、本家らしいんだ。だけど、力の差はあるものの分家という形で、いくつか村があるって言っていたな。その、月詠村っていうのは、その一つかも知れないね。」

「分家の村・・・・・・あの、それって。もしかしたら私の噂を聞いた人達が、それらしき村を見つけては襲っていたという事、ですか?」




ココにいる、誰もがその可能性を感じていたのかもしれない。

でも、それを口したのは私だった。

全ては私の力が、惨劇を生んだのだから。