すまなそうに、肩を落とす慶仁さん。
だけど、それは誰の所為でもない。
しいて言えば、私の所為だ。
私のこの力が・・・私の両親を、村を・・・死に導いた。
私さえ生まれてこなければ・・・
今頃は、2人とも笑って生きていてくれたかもしれない。
「瑞姫。お前の所為なんかじゃないから。自分を責めるな。」
「っ、冬夜・・・。」
「そうさ。これを見てごらん。」
慶仁さんは、懐から取り出した数枚のハガキを手渡してくれた。
それは、お母さん達が慶仁さんに送ってきた年賀状だった。
最初は、2人だけの写真。
そして、次はお母さんのお腹が大きくなった写真。
次の年は、赤ちゃんを抱いて幸せそうに笑っている写真。
いつもどんな時も笑っている写真。
幸せそうに、赤ちゃんの私を囲んで・・・。
ポタッと、年賀状に涙が落ちる。
それを皮切りに、次々と涙が頬を伝い止めどなく流れていく。

