「彼らの一族は、僕らの村と古くからの付き合いでね。それに俺と彼の父親と仲が良くって、瑞姫が生まれる前から話をしていたんだ。もちろん、冬夜君次第だったけど・・・」

「そうなのよね。でも、初めて二人が会った時。瑞姫の方から冬夜君に近づいて・・・微笑ましかったわ~。」

「俺は、周りから怖がられていたから・・・瑞姫が初めてだったんだ。自分から近づいてきて、笑ったやつ・・・だから・・・」




耳を真っ赤にしながら、顔を背ける冬夜。

そんな彼を、かわいいと言いながら抱きしめる彩姫。




「一目惚れってヤツだったらしい。父親としては、複雑な気分だったけどね。」




と、頭を掻きながら苦笑する伊蕗。

そんな三人が、本当に微笑ましかった。

今、ヤバい状況に陥っているなんて感じさせない程に―――――