どうしたものか困り果てていると 床下あたりから、カタカタと音がし始めた。 『冬夜君、いるの?』 「っ、ダメだ。今、出てきちゃ・・・」 あれ、この声は・・・ 聞き覚えのある声に、思わず声を掛ける。 「彩姫?もしかして、彩姫か?」 『・・・その声は』 声が消え、静かになったかと思ったら 次の瞬間、床の隠し扉が開いて中から少し埃を被った彩姫が現れた。 「慶ちゃん?!」 「こら、彩姫。いきなり出たら危ないだろう?」