そのことを察してくれたのか、慶仁さんは 微笑んで、一人だけで本殿へ行ってくれた。 私は、胸を撫で下ろし 冬夜たちを、私が住んでいた離れへと案内することにした。 離れへは、本殿の脇道を通り過ぎ更に奥に進んだ 竹に囲まれた、静かな場所にある。 平屋の一軒家。 すぐ傍には、滝があり神楽を舞う前には 身を清めるために、滝にあたることもある。 そして何より、ココへは参拝客はもとより 慶仁さん以外誰も来たことはない。 だって、友達と呼べる人たちは 今まで一人も居なかったのだから。