「起きたか?」
「ん・・・ごめん。最近、ちょっと眠れなくて・・・。」
そういうと、瑞姫は俺から体を離し
眉を下げて恥ずかしそうに笑う。
「何故、眠れない?」
「・・・・もうすぐ、新月だから。」
「独りが怖いなら、俺の部屋に来るか?」
瑞姫は、光の無い新月の夜は嫌いなのだという。
毎月、新月の夜は独りで怯え・・・それを紛らわすかのように
神楽を舞う。
以前俺が、あいつを新月の夜に助けた日に
“ 俺を呼べ ”そう言ったのに、瑞姫は遠慮しているのか
警戒していたのか、一度も俺を頼ったことはなかった。
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