慌ててオレはカバンを持って、後に続き部屋へ向かった。


「ちょっときみ、勝手に中に入るなよ!」
ついタメ口になる。……まぁ、見た目からしてあいつはオレより年下だから、いいだろう。

既にオレの部屋で胡坐をかき落ち着いている彼を見つけ、鋭い視線を向けた。




決して広いとは言えないこの部屋には、中央にテーブル、あとは小さなタンスがあり、洗濯物が干してある。床にはベージュ色のじゅうたん。

ちなみにこの部屋の奥の、扉を挟んであるもう1つの部屋は寝室として使っている。
一人暮らしにとっては広い、十分な広さの居住スペースだ。





座っていた男はテーブルに両手を乗せると、
先ほどまでのびくびくした顔とは打って変わり、どこか自信を持ったような表情でこちらを見上げ、
口を開いた。