天使なオレと悪魔なあいつ


「……」

もぐもぐしながら、あいつはオレを無言で見ている。

「…な、なんだよ」

見ているというより、
観察している、の方に近い。


目に見える嚥下をして、彼は言う。
「父さんさ、

……いや、やっぱ寝るときに言う!
ごちそうさまでした」

パパッと自分の食器を持って、台所に行く。







あ、オレまだご飯食べてない。

もう大皿から直に焼きそばを食べようとして、手前に引きずると、

「お風呂ってお湯入れる?なんかもう今日遅いしシャワーだけでいい?」


聞いてくる台所からの声がした。


「んー、いいよ」

それに適当に答える。







あれ?


この会話、
なんだか、家族のものみたいだ…


心の中に懐かしさがぽっと現れ、暖かく染み込んでいくのがわかった。