「お兄ちゃんありがとー!」

ーーちゃりん

「おう!なんか不思議な事あったらなんでも言えよー!」


白は近所に住む少女から120円受け取り、しゃがみながら利き手である左手でひらひらと手をふった。


ーーゴッ!!!

「おふ!!!」

そんなへらへらと笑っている白の白髪目掛け、分厚い辞書が原爆の様に空から投下された。


「白!!お前は自動販売機か!?あ!?」

その辞書は、双子の弟である黒の攻撃であった。

「何回言えばわかるんだよ!!【定め屋】は先祖から代々と江戸時代中期から現代へと受け継がれ、あの徳川でさえ【定め屋】を利用しt「黒ーーー!!!!」


ーーガツン!!

「がっ!!」


そうだ、白はこんな奴だった…。

黒がそう思うのには遅過ぎた。


今度は白の頭が黒の顎を目掛けて下から勢いよく伸びてきて、頭でアッパーを食らってしまった。


今度は黒が伸びる番である。


そんな黒には御構い無しに、白はへらへらと笑いながらペラペラと喋り始めた。

「いやぁーあの子が最近人面犬が夜な夜な公園にあらわれるっつーからオレね、昨日徹夜で張ってたのよ!そしたらタダの仏頂面したおっさんみたいな顔したブルドッグだったわけよ!!マジ1人で笑っちまったよな!写メ見る?写メ見る?」

「見ねーよ!!!て言うかそれをなんでお前は120円って言う料金で引き受けてんだって話!!しかも後払い!!イイか!?うちはなぁ昔から高額前払い制だろ!?【定め屋】のバーゲンセールはすんな!!わかったか!?」

プンスカ怒りながら黒は顎を摩りながら、キッと白を睨みつけた。

「へーい」

これぞまさに"気のない返事"。

白は先程受け取った120円を公園に置いてある自販機に入れ、紙パックの牛乳を購入すると、ベンチにゆっくりと腰をかけた。


そして隣をポンポン叩き、黒に座るように視線を投げかける。

黒は仕方なく隣に腰掛けると
白に呆れた目線を送った。