猿は、眉をひそめて暫く考えた後に、言いました。
「べっ、別になってやってもいいんだからなっ!!」
猿はツンデレでした。


桃太郎と猿はゆるゆると道中を進んでいきました。
桃太郎は自分のことを話しましたが、猿は話そうとしませんでした。
聞こうとすると、眉をひそめ、哀しそうな顔をするから結局聞けずじまいでした。

そして、途中で犬に会いました。
猿は「あいつ…嫌いだ」とボソッと呟きました。
さすが犬猿の仲と言われるだけはあると思いながら、桃太郎は犬に話しかけました。
「なぁ…こんにちは」
「…こんにちは。何か用」
つ、つっけんどんだな…と微苦笑しながら「あのさ、どうしてお前はこんなところにいるんだ?」と聞くと、犬は冷たい顔で言いました。
「別に、何かいちゃいけない理由なんて無いだろ」
「ご、ごめんなさい」
思わずたじたじとしていると、
「で、そっちは聞きたかっただけ?もう行きたいんだけど」
とあくまで冷たく返されました。
「あ、本題言ってなかった!あのな、仲間になって欲しいんだ」
「「はァ?」」
猿までもが声を揃えたので、桃太郎はおどおどしながら「えっえっダメかな」と挙動不審になりました。
「なんでこんな犬なんかを仲間にするんだよ!」
「…言ってなかったのかよ、こいつに」