「どうした?」



あたしの声に振り向く宮川の目を、あたしは真っ直ぐ見つめた。




でも何を言いたいのか自分でもわからなくて、結局冗談まじりに


「頑張ったご褒美に、家まで送ってよ」


なんて言ってみた。





もちろん断られると思ってたのに、




「…グラウンドの裏で待ってろ」




小さな声で呟く宮川の声が、あたしの耳に届いた。



宮川の赤くなった頬を見て、今度こそ見間違いじゃないと思った。



そう思ったあたしも、顔が熱くなってるのが自分でわかった。







きっとこれが、あたしの恋のはじまり。






end.