「奏芽に…。南央のこと、お願いできないかな?」
那智に、そう頼まれたのは、出会ってから3週間後。
その頃から、那智は痩せてきていた。
そして…屋上にも行けなくなった。
「南央の…母親になってもらえないかな?」
「旦那さんは?」
「飛龍に南央を頼んだら…きっと南央が幸せに暮らせないわよ…。」
那智から聞いた話によると…。
南央の父親には…夢があって…。
その夢のためには南央が負担になるらしい。
「奏芽に頼むのも変な話だけどさ…。南央には…父親よりも母親が必要なんだよ。」
「私…育ててもいいの?」
「無理にとは言わない。これは本来私の問題だからな…。」

