「ここが修練屋だにゃ!」
クロは笑顔でそういって建物に入った。
「こんにちはー!」
「なんだくそ猫か…お前は修練の扉には入れねぇっていってんだろ。」
「入るのはご主人様だにゃ!」
「どもっす…」
「ん…?お前…おもしれぇもん持ってんな…俺は修練屋のシギ。おいくそ猫。どこでこんなおもしれぇもん見つけた?」
「地球だにゃ!」
「地球…あんなへっぽこな星か…そりゃ牙狼も錆び付くわな…」
「だからここにきたんだにゃ!」
「おい小僧。なんで強くなりたい?」
いきなり質問された。
「いや…俺は…」
「男ならはっきりしろ!なんで強さを求める!?」
「俺は…ただ強くありたい。誰にも負けたことが無いから。」
これは本心だった。
「そりゃ牙狼が未覚醒状態でも地球じゃ負けねぇだろうな…だがここは違う。」
「だからここでもまけたくない。」
「…よし!じゃあまずはこの世界の戦い方だ!兵器の魂には"内気型"と"外気型"がある。内気型は内側に気を溜め肉体強化に徹底されたタイプだ。外気型は肉体強化は出来ねぇが気を一点に集中させ銃の様に放ったり出来る。牙狼は両方使えるが…内気型に特化してるな。まぁ使い方とお前次第だ!」
「なんとなくわかったが…」
「お前には今気が無い状態なんだ。地球には必要ないからな。そこで…修練の扉だ。この中で修練に励めば気なんかいくらでも使えるようになる。」
「修練の内容は?」
「最初は初歩だが後から死をも覚悟しなくちゃいけなくなる。それでもやるか?」
「当たり前。」
俺は即答した。
「じゃあまずは初歩の扉。入れ。この中は現実より時間の流れが早い。こっちの一分は中では8時間だ。3分で1日分の修練が出来る。」
「わかった。じゃあ行くわ。」
「気ぃ付けろよー」

俺は躊躇なしに扉に飛び込んだ。

「…くそ猫?小僧を強くして何を企んでやがる…?」
「ふにゃ?別にー♪」
「ならいいが…お前の兵器があれば牙狼なんかいらないだろ。」
「シギには関係ないにゃー…」
「そうかい…小僧を利用しようとしてんならやめとけ。あの小僧は強くなる。お前の"悪魔の魂"なんかよりもな…」
「…!なんでその事を…」
「俺は修練屋兼情報屋だ。まぁ余計な詮索はしないでおくよ。長生きしたいもんでね。」
「…」
こうして和彦の修練が始まった。