野良猫を見つけた。
そいつはひどく弱っていて俺にとてもなついた。
仕方なく俺はその猫を連れて帰った。
それが…これから始まる物語の幕開けとは予想もつかなかった…

俺は佐伯和彦。
とある普通の高校に通う普通の男子高校生。
「おっす和彦!」
「おーす。」
「朝からテンション低いなー…なんかあったかー?」
「別に…」
こいつは神谷章吾。
一応親友だ。
中学1年のとき…俺は荒れていた。
ケンカじゃ負け無し。
ついたあだ名は鬼神。
そんな俺とタメ張ってケンカ出来た唯一の存在。
俺はこいつのおかげで普通になれたんだ。
そのことはおいおい話そう。
「なんだお前…猫拾ったか?」
「なんでわかった?」
「そりゃ制服にそんだけ毛がついてりゃな…」
見ると制服に大量の毛がついてる。
「あの猫…人の制服で寝やがったな…」
「いーなー猫ー…家じゃ飼えねぇからよー…」
「よかねぇよ…」
能天気なこいつと話してると何もかもどうでも良くなってくる。
「おはよー。和彦どうかした?」
「どうもしてねぇよ。」
「そっか。」
この素っ気ない女は九条瞳。俺が話す唯一の女だ。
大抵の女は俺に話しかけないからな。
「和彦猫拾ったんだってさー。」
「猫?和彦が?」
「悪いかよ…」
「別にー?いいんじゃない?」
「なぁなぁ!今日和彦ん家行って見ていいか?」
「私もみたいー!」
ちなみに俺は一人暮らしをしている。
「やだよめんどい…」
「ケチだなー…」
章吾が拗ねている。
「じゃあ今度見に行って良い?」
瞳が俺の顔をのぞきこんで聞いてくる。
「…気が向いたらな。」

そして放課後。
章吾はボクシング部に所属しているため放課後は基本的に一人で帰る。
「おいクロー…飯だぞー。」
野良猫にクロと名前をつけた。
クロはどんどん元気になっていった。
その夜…
「さて…寝るかな…」
寝ようとした瞬間クロの体がひかった。
「まぶし…クロどうか…って!?」
「…ふにゃー…やっとヒューマンに戻れたにゃー…」
クロが…人間になっ…た…?しかもお…おんな…
「ご主人様だにゃ!」
俺を見るなりクロはそう言った。
「ご主人様!クロを拾ってくれてありがとうだにゃ!」
「あ…いえ…」
夢でも見てるのだろうか…
俺の目の前にはロリ体型で素っ裸の女の子。
「とりあえず服きてくれ…」
これが俺とクロ(人間)の出会いである…