洸があたしの右手の甲にチュッとキスを落としたから。
まるで王子様がお姫様にキスを落とすような、そんな優しいキス。
「真子には傷一つつけたくないんだ……」
「っ……」
――ドキドキ
洸は凄くあたしに対して過保護だ。
あたしも周りも呆れるくらい。
だからこんなこと言われるのは日常茶飯事。
でも、こんな風に甘いキスなんてされたことない。
「真子……」
――ドキッ
ジッと見つめられる瞳。
まるで囚われたように、その瞳から目を離すことができない。
「こ……う」
「真子」
そっと近づいてくる洸の顔……
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