ん……うまいな。



――『やばっ!凄く美味しい!!』



きっとあいつがいたら、そう言って笑うんだろう……



幸せそうに、嬉しそうに……




あいつがいたら……



あいつが俺のそばにいたら……



「真子はこっち。道路側はダメだ」



「も~、わかってるよ―」



外から聞こえる声。


そっとフォークを置いて、開けていた窓から外を見る。



「真子は注意力がないからな」



「うるさいっ!」



正門から出て行く2人の姿。



そして、仲良さそうに繋がれている手。