あたしも恋の1つや2つくらいしたことはある。



初恋は5歳の時。



相手は……洸。



昔の洸は凄くやんちゃで、あたしをイジメては楽しんでいるガキンチョだった。



でも、たまに見せる優しさに小さいながらもキュンとして、大好きになっていた。




今思えばただのMとしか思えないけど……




それから中学に入って、クラスのムードメーカーの男の子を好きになった。




もちろんそんな人気者に相手にされるわけもなく、告白も何もすることもなく中学を卒業。




そして今に至る……と。



思い返すと懐かしいな~~



……そうえば、なんであたしは洸のことを諦めてしまったんだろう?




何か理由があったような気もするけど……




「あっ、そうだ。真子」



「……ん?」



自分の世界に入っていたあたしを引き戻すかのような美知佳の声に、あたしは首を傾げた。