「おい、そこの女。真子にベタベタするな」
「「え?」」
低く怒ったような声が後ろからして、振り向く。
「相変わらず心狭い男ね~。卒業式の日くらい、真子をあたしに譲ってくれてもいいでしょ?」
「ダメだ」
バッサリとそう言いのけた洸。
「洸くん、付き合う前と変わらず真子を溺愛してるのね~」
「あっ、真子!またこんなに胸元のボタンを開けやがって。ちゃんと首元までボタンを閉めろ!」
「過保護なのも相変わらずだし……」
美知佳のボソッと呟くような声が聞こえた……
「あのね~美知佳と真子の友情はあんたとの関係よりもずっと深く……」
「美知佳!」
突然呼ばれた名前に、美知佳の表情がパーッと明るくなり、その人に笑顔を向ける。


