「洸、今日は長くない?」



「えっ、そうか?」



真子が俺の後ろにやってきた。



「真子も洸くんもこっちにいらっしゃい」



「あ、うん。でもその前にあたし着替えてこようかな」



あ、真子は制服のままだったもんな。



俺はもうさっき着替えてきたし。



「えぇ、行っておいで」



「うん。洸、ちょっと待ってて」



「あぁ、着替え手伝お……」



――バンッ




冗談で言った言葉を最後まで聞くこともせずに、真子はリビングを出て行った。