ドライヤーのスイッチを入れて、あたしの髪にそっと触れた。



――ドキッ


髪を触られるのは慣れているはずなのに、このいつもと違う状況に胸が高鳴ってしまう。




――ブオォォォォォ―……



でもこのドライヤーの音であたしの鼓動の音は聞こえそうにないな。



ホッと胸を撫で下ろした。



それにしても洸の手は気持ちい。



男の人なのに、綺麗な指をしてるし、すべすべしてるし。



本当にすべてにおいてうらやましいパーツを持つ人物だ。




「あっ……ま……な?」



「えっ?」



何か洸が話しかけてくるけど、ドライヤーの音でほぼ聞こえない。




「だ……ら……」



「なんて言ってるの!?」