「パパに昔言われたことを思い出してたの……」



「思い出……か?」



「う―ん。まぁ、そんな感じ。昔ね、パパに言われたの」



懐かしそうに、そしてどこか嬉しそうに話す真子。



「パパがね真子はパパのお嫁さんになれないって言うの。それであたしはなんでって聞くけど、そこから先は何度考えても思い出せないんだ―……」



「ふぅ―ん」



「パパはなんて言ったんだろう……?」



首を傾げて考える真子。



本当に体調はよくなってはいるみたいだな……



「それよりこの部屋って……」


思い出したように、周りを見渡す。



「ここのチケットとるついでに頼んでおいた」



「えっ!?とるって!えぇ!!?」



普通部屋にまで来てたら予約してたって思うだろ。