「ただいつも無理して食べさせてたなら、悪かったな―って思って」



「違うんだ真子!」



悲しそうに笑う真子に、俺の胸はギュッと締め付けられた。




「確かに、甘いものが特別好きってわけでも無かったんだけど、真子が幸せそうに食べるから……」



「え……?」



「そんな真子と食べると、不思議とあの甘ったるいケーキも美味しく感じるんだよ」



「洸……」



「だけど、あの時は真子を傷つけるようなことしか言えなくて……。本当にごめんな」




あの時に自分勝手に言ってしまったセリフ。



それがこんな風に真子を苦しませて、そしてそんな真子を見て俺もこんなに胸が痛むなんて思ってもみなかった……




「それに、あの時は真子が俺を思って作ってくれたフルーツタルトも食べようとしなかったし……」



「あ、それはいいの!また作るし!!」




笑顔でそう返してくる。