真子を考えるだけで思い出される。 柔らかい唇。 潤んだ瞳。 苦しそうな吐息。 全てがすべて、消えることのない記憶。 「真子の唇の感触が忘れられない……」 「変態」 「っ……」 明良の言葉がズサッと刺さる。 違うって言いたいのに、否定できない。 「落ち込んでるお前に追い打ちをかけるようで悪いけどさ、真子ちゃんの噂知ってるか?」 「は?噂?」 「そう、最近男とずっと一緒に放課後いるって話」 っ……