「美知佳は決まりました―!このチョコと、これと、これ。真子は?」
「あ、えっと。あたしは……えっと……」
「そんなに急がなくても大丈夫ですよ」
優しい声をかけられる。
「じゃああたしはこのストロベリー……」
「お袋。このチョコさ……」
あっ……
美味しそうなチョコのショーケースの奥から出て来た……あいつ。
「なんで犬っころがいるわけ?」
「別に……」
「えっ?何?知り合い?」
美知佳があたしとあいつを交互に見る。
「あ―……えっと、ちょっとね」
美知佳にはケーキ指導のことは話してなかったんだ。
ケーキの指導は美知佳たちの調理部が活動してない日にしてたし……


