「真子、ここのチョコ好きだって言ってたから、連れて来たんだけど……」
あっ……
そうだ。
美知佳はあたしが元気ないのをきっと気付いて……
「うぅん!好きだよ!大好きっ!!」
「ほんと!?よかった―」
さっきまで不安そうにあたしを見ていた美知佳の瞳が、嬉しそうに微笑んだ。
嬉しいのは嬉しい。
あのおいしいPUREのチョコが手に入るんだから!
でもあたしは今あいつに……
ここの息子である、あいつに会いづらいのだ……
「さっ、さっそくチョコ詰め合わせにいこーっ!」
ルンルンと鼻歌を歌いながら店内の入る美知佳の後を、少し重い足取りでついていった……


