「じゃあ俺は帰るわ」
「は?ちょ、ちょっと!!」
引き止めるあたしの言葉も無視して、あいつは帰っていった。
「な、なんなの……」
渡された紙袋を見つめ、小さくそう呟いた……
「はぁ―……」
ほんと男の子ってわからない。
あいつも……洸も。
思い出すと涙が出てきそうなさっきの記憶をグッと胸に押し込み、そっと玄関のドアを開けた。
すぐに自分の部屋に上がり、苦しくてどうしようもない気持ちを抑えるかのようにベットに倒れこんだ。
なんであんなことを洸はしたんだろ……
本当に、あたしのことが嫌いになったのだろうか……?
違うと思いたくても、あの時の見たこともない洸の瞳が頭から離れない……


