――ダダダダッ
涙を拭うこともせず、ただ必死に階段を駆け下りた。
「あら、もう帰るの?」
「っ―……」
「えっ!?真子ちゃん!?」
喜美香さんが声をかけてくれるのにも反応することもできず、洸の家を飛び出した。
「っう~~」
自分の家に戻っきて、玄関の前で座り込む。
こんな顔のまま、家には入れないから……
……なんで。
なんで洸はあんなことをしたの……?
考えても考えても、理由が分からない……
涙は流さないと、あの時決めたのに……
お母さんを守れるように……
泣かないって、お父さんが死んだときに決めたのに……