「ちょっとゴメンね?」

さっきより更に近くなるユウっちの顔

…ち、近い!

「ちょ、動くなっ!」

「動くなって言われても無理っすよ!だってす、……すす…」

「逆エビ…」

「ひっ…!」

逆エビの刑をされたときの痛みと恐ろしさが一瞬にして蘇る

と、同時に左目の視界がいつもより明るくなる

「よし!」

「これは…」

左髪には髪止めがついていた

「さっき私がつけてたやつだけど…嫌だった?」

「いや!全然嫌じゃないっす!!」

「ふふっ…そう」

「!!?さ、さぁ!行くっすよ!」

ユウっちの手を握ると

「うん!!」

ユウっちは俺の手を握り返してくれた

……嬉しい

少しくすぐったい感情を胸いっぱいに膨らませ

出口に向かって歩き

………外に出た筈だった