「早く教えてよ」
「分かっとるって。ヒントね?」
「え⁉ヒントけ〜」
「文句は言わない!このクラスで出席番号が偶数の人」
「一気に絞られたな。雅人?」
「え〜、松田は無いな」
「雅人じゃないん?次のヒントは?」
「仕方ないな。出席番号10より早い人」
「偶数で10より早い…」
「あ〜、間違えた。今のヒント無しで、偶数とか関係無くって20より早い人!」
「は?ややこしいぞ」
「ごめん、ごめん」
「もういいやん。分からんし」
「ゔ〜。分かった。ただし、分かっても何も言わんでね」
そう言って私は、算数のノートに[出席番号が源明くんの前の人]と書いて門田に見せた。源明くんの出席番号は「7」。門田の出席番号は「4」で、源明くんの前は門田なのだ。