11月後半になり、席替えをする事になった。今回の席替えは、くじ引きで決める事になった。
＜どうかいい人と隣になれますように！＞
深く考えず、小さく折りたたんであるくじを箱の中から素早く手にとった。
「もう、開いて良いですよ」
先生の言葉で皆いっせいにくじの紙を開いた。紙には「10」と書かれていた。
＜げ。夏野の隣じゃん＞
ふと、隣に居た舞香の手の方に目を向けるとそこには「22」と書かれていた。
「誰の隣け？」
「凛汰郎の隣だよ」
「え？マジで⁉良いなぁ。交換してよ〜、お願い！」
「ヤダよ、夏野の隣でしょ? 絶対ヤダ！」
おとなしく諦めた私は、机を移動させた。席につくと、目の前には門田の姿が。
＜隣に夏野、前に門田かよ⁉＞
すると先生が、
「人間関係大変な所とか、字見えん人今のうちやよ〜」
と言った。 私も先生に申し出をしたかったけど、皆の前で言うのはなんか嫌だった。特に問題は無かったらしく、気付けば席替えは終了していた。
後から門田と二人で先生に言いに行ったけど、大丈夫と言われて席は変えてもらえなかった。
＜これから毎日どうなるんだろう？＞