「契約…?」
私の頭にはハテナが浮かぶ。
契約といえば、借金とか悪魔との契約しか思い浮かばないよ…。
「そう、契約」
いや、だから何の…?
私の涙が完全に止まり、不安そうな顔をして
疑問を抱いてるのがわかったのか、
西本くんは自ら説明し始めた。
「俺さ、結構女の子たちに言い寄られるんだよね」
……ああ。
たしかに。
西本君は学園一の王子様で大人気だもん。
周りにはいつも、どんな時も女の子たちがいる。
「そーいうの、本当に面倒なんだ」
意外だった。
西本君は女の子たちに囲まれても、嫌な顔ひとつしたことないし、むしろ笑ってたから。
学園の王子でも…そんなこと思うんだ。
でもそれとこれと、なんの関係が?

