「んじゃ俺、ちょっと寄り道するからココで」 「あ、わかった…。また明日ね」 「おう!」 ヒラヒラと手を振る輝の背中が、 どんどん遠ざかって行った。 輝と出会って、何年経つんだろう。 輝を好きになって、どれくらい経つんだろう。 きっと、十年はいってるんじゃないかな? …そんな。 そんな輝が、今はものすごく遠く感じて、 離れていく背中を見て、無性に悲しくなった。 泣きたくなった。