王子との契約~幼馴染と王子~



どうして今輝は、そんな顔をしているんだろう…?


なんとも言えない。

怒ってる?

びっくりしてる?




「輝…」

なにを思った顔なんだろう…?




私の思いは無意識に口から漏れていた。



西本君を見ていた怖い視線は、ふいに私の方へ向けられた。



「っ」


さっきとは違う、優しい瞳。

輝の目。


たけどいつもと違う。どうして?輝は、なにも思うことはないでしょう?




「終わり。」


突然降った低い声とともに、私の視界は真っ暗になった。


「えっ?」



さっきまで見えていた輝が見えない。


え、ちょ、なにこれ!?



「え、あ、あ…」


「もうダメ」




目がほんのりあたたかい。


どうやら西本君の手が私の目を覆っていたらしい。




「あ、あの、西本君?」

どうして今あなたは私の手を覆っているでしょうか?

私の頭の中は一気に謎で包まれましたよ!


なに?隠れんぼ開始?

急に始まっちゃった感じ?




「ーーー……ばーか」


はじめはよく聞き取れなかったけど、

最後はたしかに聞こえたその言葉に反応してしまう。


「えっ?」


「お前じゃねーよ」



私じゃなかったら他に誰に言ったの?



「あ、の。この手はいつになったら離れるのかな…?」


私さっきから数分間真っ暗なんですけど。なにも状況把握できてないし謎だらけなんですけど…。




「結衣、サボろうよ」


え!!?!


私の返事を聞く前に、

目から手を離したその手はすぐに私の腕を掴んだ。