「輝!昨日話してたあの事なんだけどさっ」 昨日…? 私の知らない輝との話…。 あー! やだやだ! なに考えてんの私! 重すぎでしょ!? 「おい結衣、」 一人悶々としてると、廊下から私を呼ぶ男の人の声が聞こえた。 私を下の名前で呼ぶ人は一人しかいない。 それは輝だ。 だけど輝じゃない。 私は廊下を見た。 そこに立っていたのは…… 無表情でコッチを見て、手を招く西本君だった。 そうだ…。 私を下の名前で呼ぶ人、もう一人――… ―――居た。