王子との契約~幼馴染と王子~


―キーンコーンカーンコーン


一時間目の終わりを知らせるチャイムがなる。


朝は少し泣いちゃったけど、もう大丈夫!

切り替えていかないとねっ




「結衣」


そう思ってたのに…。




「あ、輝。どうしたの?」


今一番、話すと気まずい輝が話しかけてきた。


平常心、平常心…。




「朝なんか目が赤かったけど、なんかあった?」


ドキッ



「どうして…わかるの?」




とっさに本音が出てしまった。

こんなとき、「なんでもないよ!」って言うべきなのに…。



輝が…わかってくれてたから…。




「…あ、いや。…俺ら幼馴染じゃん。それくらいわかるって!」



目をそらしながら言う輝。


幼馴染…。


そっか…。