王子との契約~幼馴染と王子~



「ゆ、結衣!ちょっとトイレついて来てよっ」


「…うん」



奈緒は私が小さい頃から輝を好きなのを知ってる。

教えたつもりはないけど、


見てたらわかるって言われた。


奈緒は優しいからきっと気を使ってくれたんだ…。




トイレの鏡の前で話す私たち。

幸い人は居なかった。




「…結衣、どういうこと?」


「なにが…?」



奈緒が悲しい声を出すもんだから、

我慢してるものが、一気に出てきそう…。




「いつから付き合ってたの?あの二人」


「昨日告白されて、オーケーしたんだって」



奈緒を心配させないようにと、

ハハハと笑ってみたけど、奈緒は余計辛い顔をするだけだった。




「……いいの?」


「……」


「輝に想い、伝えてないでしょ?」


「うん…」



伝えれなかった。


伝える時間なら、これでもかってくらいあったのに。


私が…弱いから…。