「結衣ー、起きなさい」
朝。
いつもと同じ朝。
お母さんの声で起こされる朝。
私はなぜかスッキリ起きれないでいた。
いつまでも布団の中でモゴモゴしてると…
「結衣!いつまで寝てんの!彼氏来てるわよ!」
勝手に部屋に入ってきたお母さんのその言葉で一気に眠気が吹き飛んだ。
「かれ…っ!?」
飛び起きて反応してしまう。
「あんたは一途だと思ってたんだけどねぇ~」
そんな意味深な言葉を残して、お母さんは私の部屋から出て行った。
「……」
一途って…。
どうやらお母さんには私の昔からの気持ちがバレてたみたい。
「はぁ~…」
ため息を吐きながら、支度をし始める。
あ、そうだ!
西本君待たせてるんだった!
私は面倒くさながらも、いつもより早く支度をした。

