「おっし。んじゃ決まりな」
「あ…」
「契約破棄とか、ナシだから」
私の心を読み取ったのか、
西本君はバッサリと言い切ってしまった。
「…わかってる、よ!」
こうなりゃ、もうどうにでもなれ!!
そう思って私がやけくそで返事をしたら
「フッ」
なぜか彼は笑った。
「な、なに?」
「意地っ張りなところ、直せば?」
は!?
「意地っ張りなんて初めて言われた!」
「どう見ても意地っ張りじゃん」
どこがっ
西本君のほうが意地っ張りだよ!
ていうか、ただの我儘王子?
「明日からヨロシク。彼女さん」
西本君のその不敵な笑みを見て、
私はさっそく先行きが不安になったのだ。

