「ほのかみたいに良い女、他の男が放っておかないから大丈夫だよ!」
「そうだな。冴島さんくらい美人だったら、男の方から近づいてくるんじゃないか?」
かなめに続いて、有紀までそんなことを言っている。
中学時代からほのかを縛りつけていた俺としては、複雑な心境だ。
「お兄ちゃんってば、そんなこと言ってるけど、自分はどうなの?」
「うん?」
「いっつもシスコンで引かれて、女の人に逃げられてるくせに」
かなめの言葉に、俺は苦笑する。
一方の有紀は、溺愛する妹の言葉なら痛くも痒くもないようで、
「そうだなー。かなも幸せになったことだし、俺もそろそろ真面目に考えなきゃな」
などとほざいている。
俺とほのかは、兄妹のやりとりに顔を見合わせて笑った。
「有紀さんくらい格好良かったら女の人の方が寄ってきますよ」
「そう?」
「今までだってたくさん女の人寄ってきたけど、結局シスコンで逃げられてるんだよね」
かなめの言葉に、俺達は声を上げて笑って、有紀だけがむすっと口を尖らせてる。
「だってよ、かなが可愛すぎて、いっつもかなと比べちゃうんだよな」
「お兄ちゃんは早く妹離れしなきゃ駄目だよ!」
俺は三人のやり取りを、微笑みながら見ていた。
それに気づいたのはかなめだった。
「つばちゃん、何、にやにやして」
「ん?」
「そうよ、翼さっきから黙ってにやにやしてる」
ほのかまでかなめに便乗した。
「いやん、翼ってばにやにやしてる」
有紀まで棒読みでそんなことを言う。

