あれから、こちらへ戻ってきた俺は、大学に復帰できるように手続きをした。
荷物の整理もして、それから有紀会いにきた。
「まあ、お前がかなのこと見えてなかったときは、ぶっ殺してやろうかと思ったぜ」
「悪かったよ」
そうは言いながらも、本気で怒っていないのは明らかなので、お互い口元に笑みが浮かんでいる。
思えば、有紀とこうやって笑いながら話をするのも五年ぶりだった。
「やっと、前に進めるな。よかったな、かな」
「うん」
「ああ。あとで、お前らの親に頭下げに行くんだけどな」
それは、避けられないことだ。
十中八九俺のことを良く思っていないだろうかなめの両親に挨拶に行く。
これから、かなめとの将来を真剣に考える上で、避けられない行事だ。
「まあ、親父に殴られても仕方ないと思え」
「ああ。わかってる」
かなめは俺の母親と何度もぶつかりながらも、俺に会いにきた。
それなら、どうして俺が同じことをできない?
俺だって、やるときはやらなくちゃいけない。
かなめは辺りを見回して、
「ほのか、遅いな」
と呟いている。
そういえば気になっていたんだ。

