狂奏曲~コンチェルト~



「おばさん、私がつばちゃんを苦しめたって言うから……」

 かなめが俯きながら言う。

「そんなことは……っ」
「でも、それは本当のことだよ」
「……」

 かなめが声を張り上げた。

「私は、逃げたくない。私がつばちゃんを苦しめていたのは、本当のこと」

 かなめ……

「でも、私は、もうつばちゃんに謝った。つばちゃんと私の仲だもん、これから、償っていけるよね?」

 そうやって、明るく言おうとするかなめが、けなげで可愛い。
 だけど……

「償うなんて、とんでもない」
「でも……」

 俺はかなめの頭をなでた。

「かなめの言うとおりだ。過去は消せない。だけど、償うとか、許すとか……責めるとか、もうこりごりだ」

 俺が自分を責めるだけなら、俺は良い。
 だけど、俺が自分を責めることでかなめが自分を責めてしまう。
 そんなのは、許せない。