狂奏曲~コンチェルト~


「過去は消せないよ。だけど、乗り越えることはできる」

 乗り越える……?

「つばちゃん、自分を責めたって前には進めない」

 前に……?

「私は、ただつばちゃんと、幸せになりたい」

 幸せに……?

「つばちゃんは、もう私のことが好きじゃない?」
「俺は……お前を……っ」

 愛している。

 だけど、それを言ってもいいのか?


 過去に犯した罪の大きさに、自分を責め続けていた俺。
 過去も未来も、全てをかなめのために投げ打った。

 そのかなめが、幸せになりたいと言っている。

 俺は、かなめに甘えてもいいのか……?


「つばちゃん」

 口を閉ざした俺に、かなめが微笑みかけた。

「つばちゃん、つばちゃんの気持ちを、つばちゃんの口で教えて」

 お前は、いつもそう。
 笑顔を、俺に向けてくれるから――……